●平成29年度 全国研修大会の開催に向けて

混迷する社会状況を見極めつつ
廃棄物の適正処理推進に貢献を
一般社団法人全国清掃事業連合会は10月25日、東京千代田区の砂防会館において平成29年度全国研修大会を開催します。
本年の全国研修大会の主要な課題は、平成28年度に行われた廃棄物処理法の5年定期見直しに際して、私たち全清連が提起した廃棄物の排出事業者責任の規制強化の問題が、環境省中央環境審議会においてどのような結論を得たのか、という点を確認するとともにこの中環審の意見具申を受けて、法律改正や改善施策がどのように実施されようとしているのか、ということを理解することです。
また、本年の記念講演は、私たちがなすべき確認と理解の上できわめて有意義かつ重要です。講師として来ていただく方は、平成28年の廃棄物処理制度見直しにおける論点整理のキーパーソンのひとりであり、中環審食品リサイクル専門委員会座長の神戸大学大学院経済学研究科教授の石川雅紀先生です。石川先生には、今回「ダイコー事件の総括――そこで問われたことは何か」という演題のもと、廃棄物の適正処理ということは、どういうことか、廃棄物の排出者責任とは？　廃棄物処理業の責務とは？　等々の根本的な事柄についてお話していただくことになっています。
まさに、現在の混迷する社会状況の中で、廃棄物の適正処理を推進するという役割を担う私たち固形一般廃棄物処理事業者にとって、今回の研修は必要不可欠な内容となっていますので、できるだけ多くの会員の方々に参加していただくべく、お願いしたいと考えています。
全清連の平成29年度事業計画では、6.19通知、10.8通知の周知活動と、これらに加えて平成29年3月21日の環境省2課長通知の周知活動の展開が決定されており、その後この3.21通知の関連で発出された6.20通知(チェックリスト、「ダイコー事件の総括」を含む)の周知活動も不可欠と判断して研修会資料に加えました。
全清連は固形一般廃棄物が市町村の処理責任の下で処理される現行制度を廃止してしまえという社会勢力の台頭に危機を感じて結成されました。
6.19通知は、聖域なき規制緩和の流れに環境省までもが飲み込まれそうになっていた頃に、全清連が経済合理性優先より環境保全が優先されるべきと提言したことが契機となりました。研修会第三部では、全清連会員が取り組むべき課題について、重要通知の発出経緯・社会的背景も含めて、改めて報告・説明したいいと考えます。

●排出事業者責任徹底に係る3.21、6.20通知を研修
平成29年度地域研修会を全国16会場で開催
全清連は4月21日〜8月25日にかけて、全国10会場で平成29年度地域研修会を開催した。各会場とも全清連会員、自治体を中心に多くの出席があり、廃棄物処理法の趣旨・目的、6.19通知および10.8部長通知の重要性等について研修した。また今年度は廃棄物処理法の定期見直しで強化されることとなった「排出事業者責任の徹底」に焦点を当て、昨年発生した食品廃棄物等の不適正処理事案、それを受けた廃棄物処理制度専門委員会での議論や全清連が提出した意見書の概要、見直しにより発出に至った3.21通知、6.20通知の内容についても重点事項として取り上げた。研修会は今後も10月2日の大阪府連研修会をはじめ、来年2月まで全国6会場で開催の予定。

（詳細については全清連ニュース第85号をご覧ください）