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平成24年度『全国研修大会』を盛大に開催 

一般社団法人全国清掃事業連合会(全清連)は10月26日(金)午後1時より東京千代田区の砂防会館を会場に、平成24年度の「全国研修大会」を盛大に開催した。全国から600数十名の会員が参集した本研修大会は、メインスローガンに「東日本被災地復興への苦闘を思いつつ地域環境の保全活動に邁進しよう!」を掲げた。東日本大震災から1年7カ月が過ぎようとしているが、被災地は今この時期においても一部地域を除いて生活再建の目途も、産業復興の目途も厳しいといわれている。ようやく膨大な災害廃棄物の処理処分の目途が立った段階にすぎない被災地の人々の悲痛とも言うべき心情を思いつつ、まさに地域の生活環境の保全と公衆衛生の向上・確保というライフラインの維持そのものに深く携わる当事者として、直面する様々な問題の検討と分析を共有し、その解決に向けた取組みをしていかねばならない。
全国研修大会は、第一部・全清連三井崇裕会長および地域廃棄物適正処理推進議員連盟、各省庁のあいさつ、第二部・講演会、第三部・地域活動の事例発表、当面の事業方針、大会決議、スローガン採択――の三部構成で進行した。講演は環境省廃・リ対策部リサイクル推進室の眼目(さっか)佳秀室長補佐による「不用品回収業者対策」と「小型家電リサイクル法」。地域活動報告としては岐阜県清掃事業連合会が「岐阜県における不用品回収業者対策と業界の取組み」を、大阪市清掃連合協同組合が「大阪市における新規許可問題」といった、まさに業界が直面している問題についてそれぞれ報告。当面の事業方針は、業界を覆っている問題の根本部分には廃棄物処理法の定義・区分の見直しがあると捉え、さらにそれを深く分析すると例外なき「規制緩和」を推し進めようとする動きに行き着くとし、これまで規制緩和がどのように打ち出されてきたのか、歴史的検証を行ない問題提起とした。

三井会長、全国2万1000社の同志のためにもこの組織を推進
演壇の上方部には日本国の国旗と全清連の連合会旗が掲揚されている。全員が起立し君が代を斉唱。参集者の心がひとつになったところで、全清連を代表して三井崇裕会長があいさつ。
「全清連ができて今回で15回目の大会を迎えます。節目の年といってもいいでしょう」と切り出した三井会長は、この15年間を振り返る。「様々なことが走馬灯のようによぎるのでありますが、年々感じるのはこの大会で皆さんとお会いするたびに、この組織は全国的に強固になってきているということです」と述べ、さらに15年間の中で議員連盟を結成したことをあげ、「(我々の業務は)環境省、経産省あるいは農水省などと関連が深いので、ことあるごとに関連省庁と問題を協議させていただく中で、議連の先生方に逐次ご報告、ご意見を述べさせていただき、その上で指導をしていただくということがずっと続いてきています。いろんな事柄の中で、問題解決をひとつずつやり通して今日まで来ました。この大きい力は本日、全国から集まっていただいた会員の皆様の私ども執行部に対する支持があったからこそでございます。ほんとうにお礼申し上げます」と参集者に感謝の意を表した。さらに、全国に1719の市町村があるが、この中には「私どもの委託あるいは事業系一廃業者が約2万1000社いらっしゃる。私どもは委託、許可という名称ですが、一方では市町村長さんの代行者でもあると思うんです」。つい先般、小型家電リサイクル法が制定されたが、「小型家電の収集運搬は現場のプロである我々全国の2万1000社にお任せいただいてもいいんじゃないかと最近思っております」と新たなリサイクル制度に対して注文をつけた。最後に「これからも年1回の研修大会は続きます。全国2万1000社の同志に対しても頑張ってもらえるよう、我々の組織を推進していかなくてはならないと思っています」と結んだ。

議員バッジを外しても全清連を応援すると中川議連会長
議員連盟からは、衆議院議員の中川秀直議連会長、西野あきら議連副会長、石破茂衆議院議員、野田聖子衆議院議員らを含め多数の衆参国会議員が列席。中川議連会長は使用済み小型家電リサイクル法について触れ「これについてはいくつかの懸念がございました。認定事業者が市町村主体でない形で集荷をはじめて、そして皆さんの毎日やっておられる一般廃棄物の処理事業、これとまた別枠の姿で進んでしまうのではないか。それはかえって新たな混乱を引き起こしはしまいかと。この小型家電リサイクル法については本日ご列席の先生方が集まってくれまして、全清連の方々も一同に集まり、そこに行政も加わって議論を致しました。その結果、法律の附帯決議で、市町村が主体となった回収構築のために国は努力しなさい。そして認定事業者、委託業者の指導監督については認定の取消しもある。再委託は認めない。また地域に根づいた回収業者の有効な活用を図ることなどが盛り込まれて、このことについて環境省からもしっかりした見解の表明を我々の会合の中でお示しいただいた」と述べた。また今夏、プラ容器包装のマテリアル再商品化施設である広島リサイクルセンターを視察。環境省、経産省の担当官を交えて議論を行い「3Rの順に取り組んでいくことの原則を確認した」と、容リ法見直しに向けての意見を語った。
最後に中川議連会長は、「世代交代をする時ということで、次期総選挙には不出馬を決断させていただきました。しかしバッジを外しましてもまた、これからも全清連を応援する形でかかわらせていただきます」と力強い言葉で締めくくった。
石破茂自民党幹事長は、しばらく前に起きた東北自動車道のバス大事故を例に挙げ「安くてもいいや、どんなもんでもいいやとなると世の中大変なことになる。ましてや廃棄物処理の世界にこうした原理を導入することは極めて誤りであって、どんな世の中にあってもきちんとした業がなされないといけない」と廃棄物処理の世界に、安かろう悪かろうがあってはならないと述べた。
このあと、環境省、経産省、農水省の各省の幹部によるあいさつが続いた。

講演、不用品回収業者対策と使用済み小型家電リサイクル法
第二部の講演は、環境省リサイクル推進室の眼目(さっか)室長補佐による「不用品回収業者対策」及び「使用済み小型家電リサイクル法」について。各自治体でも手を焼いている不用品回収業者対策については、環境省が今年3月19日に都道府県を通じて各市町村に通知した「使用済家電製品の廃棄物該当性の判断」に基づき、積極的にパトロールを行い、立入り検査や指導を実施する自治体が増えつつあるが、その一方で及び腰になっている自治体もあるとし、「不用品回収業者は法令を知らないケースもあるので及び腰にならないで積極的に指導してもらいたい」と要請した。今年9月から10月にかけて、立て続けに7件もの金属スクラップの火災が港や船で起きている。「環境省だけでなく、海上保安庁、警察、税関も非常に深刻な問題として受け止めている」と、この問題の重大性を指摘。環境省の権限としては廃棄物に該当する者については大臣の確認を受けなければならないという廃棄物処理法の規定により、「地方環境事務所にパトロールして指導、取締りを強化していく」と述べた。「市内では市町村が頑張る。水際では環境省が頑張るといった2つの面で取り組んでいきたいと」示した。
使用済み小型家電リサイクル法については制度の仕組みを説明。現在検討会で政省令を審議中だが、対象になる小型家電は「約280品目ぐらいあると考えている」と品目数について触れた(小型家電リサイクル制度の検討会の様子については全清連のHPに記載。講演の詳細は全清連ニュースをご参照ください)。

岐阜県と大阪市から地域活動の事例報告を発表
第三部は地域活動の事例報告。岐阜県と大阪市からそれぞれ発表された。

岐阜県清掃事業協同組合(岐清協)は山口常任理事が「岐阜県における不用品回収業者対策と業界の取組みについて」報告。取組みのきっかけとなったのは平成16年ごろ。一般廃棄物の許可をもたない業者が、まちの便利屋と称して、新聞のチラシや無料冊子、ポスティングなどで家庭ごみの処理を代行すると宣伝していた。それが年々拡大していった。「無許可営業で一部は有料で回収するといっていた。これでは不適正処理によって地域の環境が脅かされる。なによりも、このような悪質業者と私ども許可業者が同等に見られる」(山口常任理事)ことに岐清協は強い危機感を抱く。当時の岐清協の対応は、違法と思われる業者の確認、広告の文言等をチェックして個別に市町村を訪問。悪質な業者にごみ処理を依頼しないよう広報等で住民啓発のお願いを要請した。しかし不用回収業者数は増大して、高額な処理費の請求もみられるなど苦情やトラブルも発生していた。
そうこうしているうちに平成21年にリサイクルショップ併設のまちの便利屋代表者が廃棄物処理法違反で逮捕される。岐清協は市町村に対して立ち入り調査を要請してきたが、平成22年10月に環境省から通知が出され、市町村の立入りの権限が出来た。しかし立ち入り出来てもそれ以上の指導が出来ないという状況だった。そこで岐清協はこの問題を全清連に上げ、全清連議員連盟から環境省に働きかけてもらい今年3月19日に環境省から廃棄物の該当性の判断が発出された。
岐清協はこれをもって各市町村を訪問。立入り調査、指導を要請する。市町村もこれに応じて取組みを始めた結果、3.19通知前には岐阜県下で162の無料拠点回収があったが、今年9月時点では100拠点に減少した。「無許可不用品回収業者が減ってきたとはいえ、まだ営業している業者もいる。行政と連携して対応していきたい。3.19通知を有効に活用して、各県連にあった形で取り組んでいただけたらと思う。ただこうした持込み回収に対して市民は、いつでも持込めるとか時間に融通がきくといった利便性も感じている。業界としてもいかにサービスを向上させていくか検討する必要がある」と山口常任理事は課題も含めて述べた。

■大阪市清掃事業連合会の木村理事長からは「大阪市における新規許可問題について」という、現在進行している問題が報告された。これについては当連合会のホームページに掲載したように、9月1日に大阪城公園内音楽堂で業界関係者約2500名が参集しての「怒りの決起集会」が挙行されたので参照されたい。大阪市は昨年11月の市長選挙で、維新の会を率いる橋下市長が誕生。議会も維新の議員が過半数を占めるに至った。大阪市の公務員数は約3万9000人。人口割にすると他自治体より多い。これを約半分の1万9000人にすることを橋下市長はマニフェストに掲げて当選を果たした。「当初は水道局、交通局など諸々、人員削減という形で動かれておったのですが、環境局にもメスが入るようになった」(木村理事長)。ここから環境局は、収集運搬部門の「非公務員化」という施策を打ち出す中で許可業者を巻き込み、「新規許可付与」という動きに走る。
大阪市の許可業者数が多い。業者の経営基盤の強化、民営委託の強化、減量・リサイクルの推進などを進めるため、環境局は業者削減のための許可要件をペーパーで示した。そのなかに、「新規許可付与」という文言が付け足しのように差し込まれていた。
許可業者が飽和状態なのに新たに新規許可を出す。これでは非常に混乱を招くし、安全・安心な処理が担保できない。こうした環境局の施策に業界は当然納得できない。じつはこの新規許可付与には環境局の裏の理由があるのだが、それはともかくとして業界は様々な活動を展開し、現在、議員連盟を結成して対応している最中。来年4月には新規許可の試験が予定されている。
この半年間、業界はいろいろ動いてきた。その経験から木村理事長は次のように語る。「もし大阪市に新規許可が出て、全国の自治体に飛び火するようなことになったら、ぜひ皆さんの地元の若い経営者の声に耳を傾けてやってください。今まで数十年この業界に非常に長い間おられた諸先輩方、いろいろ経験されて口では言えないものを身につけています。しかし、ただ時代が違います。その方たちが経験されてきた遠い昔の時代では、ものの考え方、行政側の考え方が非常に変わってきています。諸先輩方の余力があるうちに、若い人たちに経験を積ませてやってください」。

当面の事業方針、規制緩和の不合理性を十二分に理解すること
事例発表のあとは当面の事業方針を山田専務理事が説明。「事例報告発表は固形一廃廃棄物処理事業者が直面している事柄の一端に触れたのではないかと考えます」。山田専務はこう語りだし、「やはり根本問題は、廃棄物処理法の定義・区分の見直しにかかる問題であり、これを突き詰めていくと規制緩和の問題ではないかと考えられます」と論を進める。たとえば大阪市の新規許可問題にしても、「その根っ子には、公共サービスとしてのごみ収集運搬業務に果てしないダンピング競争を持ち込んで、そこに働く人たちを追い詰めても良いとする弱肉強食の論理が見えます」と、規制緩和がもたらす劇薬効果を指摘。
そして、規制緩和の源流とも言うべき平成5年の当時の細川内閣で設置された経済改革研究会で打ち出された「中間報告」を紹介。さらに平成10年の小渕内閣、平成13年の小泉内閣でも規制緩和が推進された。小渕内閣の時代にはオリックスの宮内社長(当時)が委員長を務める「規制緩和委員会」が発足し、平成10年にはこの規制緩和委員会が市町村のごみ処理を民間開放せよ、許可制ではなく届出制で業が出来るようにせよという方針が日経新聞に取り上げられ、これに危機感を強くした一廃業界約1000名が総務省に押しかけ、これは白紙となったが、これを期に現在の全清連が結成される。しかし翌年には事業系一廃を産廃にするという区分の見直しが浮上してくる。その流れは今でも続いている。止まってはいない。
このように規制緩和推進論者は虎視眈々とこの業界を狙っており、そのためには一廃業者も、廃棄物処理業になぜ規制緩和、市場原理を入れてはいけないのかをきっちり勉強、理解し、理論構築して行政や議員に接する必要があると問題提起した。
研修大会はこのあと、大会決議、スローガン採択と続いた。
(研修大会の詳細は、11月下旬発行予定の全清連ニュース第65号に掲載)。

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